Doctors Journal Vol.8
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21鈴木慶やすらぎクリニック医療経営最前線レポート ②たり前の経営手法だと思います。 医療経営は平均利益率が8%位、良くて10%、特に人件費率が50%近くを占めます。一般的に言えば労働集約的で難しい事業だと言われますが、私は難しいとは思っていません。 患者さんに対して真心で接し働く職員が常に前向きだったら、例えその職員たちの人件費がかさんでも絶対に採算性は合います。私の経験上、患者さんと職員から高い評価を得ている医療機関は絶対に潰れないと確信を持って言えます。 だから、これから開業を目指す先生方には、自信をもって自分の医療を確立し、開業してから医師と患者さんの良好な関係、医師と職員の信頼関係が作れるのであれば、早期の段階で経営は安定しますよと言いたい。 確かに診療圏調査などもありますが、患者さんは医者を選ぶのですから、選ばれる医者になれば良いのです。当クリニックには診療圏調査で調査不能な山梨や福島からも患者さんが来ています。選ばれる医者になる努力をしている限り、目先の数字を追うべきでない。無駄な投資をするべきではない。医院経営成功のポイントとは、医師としての職業と職員と患者さんを大事にする事に尽きると思います。株式会社 ドムスデザインhttp://www.domusde.com/doctor/〒107-0062 東京都港区南青山2-22-2 KISビル2FTel: 03-6406-2525『人は情けの下に住む』著者/鈴木寧 中央公論事業出版鈴木慶氏の父親である鈴木寧氏が田無病院院長として死の直前まで書き綴った院内報をまとめた、人間愛に溢れた手記。『鈴木慶やすらぎクリニック』設計・デザインドムスデザイン代表 戸倉 蓉子鈴木寧(すずき・やすし)◆昭和5年~平成18年 享年75歳昭和5年、福島県会津若松生まれ。昭和19年、旧制新潟中学校在学中、海軍特攻隊に志願入隊。昭和28年、埼玉大学文学部仏文卒業後、同年新潟大学医学部に学士入学。昭和33年、医師免許取得。昭和45年、慶應義塾大学医学部外科学講師。城西歯科大学(明海大学)外科学助教授。東京女子医科大学至誠会第二病院院長代行。至誠会看護学校校長を兼務。平成8年、田無病院院長。平成18年、永眠。クリニックのコンセプトはワンワールド 鈴木慶先生との出会いは突然でした。2012年8月。ヨーロッパ出張から帰国し成田から会社に戻るとスタッフが待っていましたとばかり「これから30分後にお客様がいらっしゃいます」と。そして現われたのが鈴木慶先生と奥様のまさみさんでした。お二人で颯爽とやっていらっしゃいました。おしゃれな先生と奥様。それが第一印象です。先生はすでにクリニック、デイサービス、パワーリハビリ、訪問看護、院内保育を展開なさっていました。手狭になり、近くの5階建ての旧産婦人科の建物を入手できたのでそちらにすべての機能を移したい。集約してより地域の力となる診療を目指したい。そのために単なる改修工事でなく、建物をデザインして欲しいとご依頼いただきました。私はその先生のお言葉ひとつひとつに心を動かされ、その日から僅か3週間でこのプロジェクトがスタートしました。 まず、着手したのがコンセプトメイキングでした。今まで別々の場所にあった機能がひとつの建物に集結する。それは単に機能的に便利になるばかりでなく、合体によるパワーの相乗効果が生まれる。だからハードだけでなくそれを動かすスタッフの意識の統一が必要になります。そんな思いで、できたコンセプトがワンワールド。2013年1月にはスタッフの皆さんを集めてプレゼンテーションさせていただきました。そして工事がスタート。現場の定例会議に先生やまさみさんも参加頂き改修工事という難題も乗り越えながら完成しました。6月2日内覧会。予想をはるかに超える840人の来場者で大盛況でした。しかも慶先生の大ファンという人生経験を積んだ女性患者さんが多く訪れ、先生に一言お祝いを言いたいという方の列ができました。慶先生はそういう方々おひとりおひとりにお名前を呼びながら丁寧にご挨拶なさいます。私はまさに先生のこのお姿がクリニックの人気の秘訣だと実感しました。慶先生はおっしゃいます。高齢者になると家にこもりがちになる。通いたくなるクリニックが存在すれば、患者さんは来てくれる。そういう意味で日常とは別の異空間が必要です。自分は医者として患者さんの臓器だけを診ているのではないのです。その方の人生を診ているのです。 ナイチンゲールに憧れてナースになったものの患者さんの希望と心を元気にする環境が大事だと理想の病院を造ることを夢に建築家に転身した自分。慶先生との出会いによってまた一つ成長させて頂きました。
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