Doctors Journal Vol.8
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41疑義照会とは、患者様のために薬剤師と医師が連携するためのキーワード薬剤師、 AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー) 株式会社トレジャー たから薬局みなとみらい店 管理薬剤師〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい4-7-1-2階ATel: 045-228-2330鈴川 正洋変更される事もあれば変更されないケースもあるのです。 処方せんを見て「先生の意図はこうだろうなぁ」と思っても、必ず疑義照会で確かめなければならないのです。このような疑義照会の必然性について、どうかご理解をいただければと思います。医師からのアプローチ 「薬の事は薬剤師に聞いてくださいよ!」と自信を持って言えるよう、多くの薬剤師は薬学的知識を身に着けるべく努力を重ねております。ただ、薬剤師が医師から絶対的な信頼を得ているとはまだまだ言えていないのが現状です。また、薬剤師のコミュニケーションスキルの向上も今後の大きな課題となっています。薬学的知識があってもコミュニケーションスキルがなければ、医師も患者様も頼って来てはくれません。医師や患者様にとって薬剤師が「頼れる存在・使える奴」と思われるよう、しっかりと丁寧なコミュニケーションで薬剤師の存在意義をアピールしていかなければなりません。 医師からも薬剤師に対して上手に頼って頂けたらと思います。お互いの歩み寄りが信頼関係を生み、良質な医療の提供へと繋がっていくのではないかと思います。患者情報のフィードバック 患者様にお薬をお渡しする時点で「この薬は手持ちが多いから日数を減らしてほしい」とか「あの頓服薬が必要だったのに処方をお願いするのを忘れた」とか「この薬はすでに飲んでいないから処方を削除して欲しい」などのご要望をいただく事が調剤薬局では数多くあります。こう言ったケースでは疑義照会と言う形で医師に即座に連絡をするので、患者情報のフィードバックがその場でできているケースとなります。 一方、「お薬、実は飲み忘れが多いんだけど、先生に言いづらくて言っていないんです。」とか「先生が忙しそうだから言わなかったんですけど…」と言う患者様からのお話もそれなりの頻度であるのです。このようなケースでは「治療上必要な情報である事」を患者様にご理解いただいた上で患者様の同意のもと、医師へのフィードバックを行っています。しかし、どこまでの情報を医師が欲しがっているのかなど、薬局サイドからはなかなかわかりづらい事も多いものです。 何でもかんでもフィードバックしたら業務の妨げになるかもしれませんし、かと言って遠慮をしてフィードバックをしない事は患者様にとっても医師にとっても有益とは言えません。明確な線引きは難しいかもしれませんが、薬剤師は医師の意志を確認する必要があると思います。逆に、医師から薬剤師に「このぐらいの情報は欲しい。ここまではいらないよ」などの意志表示をあらかじめしていただくのも円滑なコミュニケーションを取るきっかけになるのではないでしょうか?そしてそれは、患者様の良質な医療の提供へとつながるのではないでしょうか。先生!よろしくお願いします! 疑義照会は薬剤師の義務であるとは言え、いかにも義務を果たすというだけの姿勢では良くありませんし理解も得られません。薬物治療のために、薬剤師がその職能を発揮するのが疑義照会であり、また、薬剤師と医師が患者様のために連携するキーになるのが疑義照会であると思います。 医師と薬剤師が良好な人間関係を築くことが出来れば、患者様のためにも必ず良い成果が得られるはずです。疑義照会は医師と薬剤師が処方についてダブルチェックをするという医薬分業のメリットの1つでもありますが、それだけではなく疑義照会は医師と薬剤師がそのような人間関係を築く重要な道具です。この道具を上手く活用し、共に同じ方向を向き、より良い明日を創ってまいりましょう!「先生!よろしくお願いします!」【プロフィール】1997年に千葉大学薬学部を卒業。1998年に千葉大学大学院薬学研究科を中退し、フリーランスライターとして約5年間活動する。その後、在宅訪問に特化した調剤薬局に約8年間勤務し、主に個人宅での服薬訪問指導の経験を重ねる。2012年9月に株式会社トレジャーに入社し、たから薬局みなとみらい店に勤務。現在に至る。2007年に2級FP技能士を取得し、2008年にAFPに登録。薬剤師として、またファイナンシャルプランナーとして、医療やライフプランニング設計など総合的に「人の役に立てる人」になるべく活動中。

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